千葉県 高梨保子

作品の構成を錬る

先ず天地の余白を考え、天より地の方を少し多めに取るように心がけます。次に左右の余白を考えますが、左側に落款印を押す場合には、それだけの余白を取り、あと二行は、中心を考えて、右側の余白も考えて、少し取ります。しかし二行で出来ている作品は、落款印は二行目の下に書く方が良いと思いました。それは落款印を左側に持っていくとどうしても、ぎりぎりで窮屈そうに見えるし、本文の字が伸び伸びと書けないこともあります。勿論、落款印は、本文の合間を、うまく取って書くことは、書くのですが、それだけに字の大きさ、バランスをよく考えなければなりません。
又、本文の上下の文字との間隔も考えますが、それには、字の大きさ、画数の多い少ない字にもよりますし、それによって細く書いたり、太く書いたりしなければなりません。また、本文の字の輪郭を考え、隣り合わせる字と、よくマッチしるか、ということも、よく考えなければならないと、思いました。
 

岐阜県 日下部そよ子

宗師の文字は迫力が有り、一本の線にも強弱真っ直ぐに引いてなく文字はゆったりおおらかに書かれて丸みがあり味がある。蔵鋒がなかなか書けなく始筆が45度になってしまう。
それが私の課題である。
DVDは宗師の書かれる所が見たいです。



滋賀県 小西康子 

作品A最初の一文字をどっしり太く書き上下の空間も少なく紙面全体に大きくどっしりと見えます。
作品B古典を取り入れ二等分してある為落款を下段に書き全体に落ち着いて見えます。
作品C作品Aより上下の空間が多く全体に少し細目の線質の為白の部分が多くさわやかな感じです。
三作品三つのパターンを学びました。それぞれ文字の大小、太細がありますが中心が通っているので、全体のバランスが取れている事を学びました。

 

 

京都府 徳永千恵子 

文字の中心・行の中心は、偏と旁で構成されている文字は右に書いてしまう傾向があるので気をつけている。
文字の大小によって全体のバランス・雰囲気が変わるのではないかと思う。
文字の大小によって、余白も変化する。
墨色も大事だがまず全体のバランスをしっかり作り上げないと、作品に仕上がらないと思うので、この作業に時間をかけることにした。



ホノルル 宇佐見秀子
  • 第一文字目は大きめに書く。
  • 六朝体は左右ほとんど同じ位置に並ぶように揃える。
  • 一文字おきに大・小をつけて書く。
  • 二行目は一行目の反対になるので、大小・太い細いがとなりあわせとなりバランスのとれた美しい作品になる。
  • 左に落款を書く場合は左の行の字は右にくらべると幅を狭くして書く。
  • 落款を下に書いてまとめる時は、逆に右の行を幅を狭くして書く。



 青森県 三浦省子

構成シートAで「作品の中心を見る」は今までも行の中心をそろえる。
天地左右の余白をとる等今までも気をつけていたつもりでしたが、作品の中心を見るということについては、その作品のいわゆる見せ場がそれにあたるのではないかと今回気がつきました。

構成シートBでは、書き出しの文字は大きく、次にくる文字やとなりの文字は小さめ、軽めなど見ためと実際との違いの確認がよくできました。とくに作品の中心になっている部分は大きめ、かつ伸びやかに書かれている。

パソコンがなくインターネットでは見ることができず残念でした。今まで、漠然と作品などを見ていましたが、これからはよく観察し次につなげていきたいと思います。



兵庫県 国松千恵子

  • 作品すべて中心をしっかり通して、落款をどこにするかをきめた上で紙面のどこに配置したらよいかを工夫する。
  • 字の長くなる字の下は少し偏平にしたり画数の多い字、少ない字は線の太細によってバランスをとってある。画数の少ない字は余白が広くなる為太めの線で余白をおさえている。
  • 墨量の多い重い字のとなりはかすれで軽く重い字が隣に来ないようにしてある。
  • 画数の多い字は大きくなるが細めの線にしてあるので大きさを感じさせない。
  • 横画の上下は余白を多くとってある。
  • 字が細く小さな字が多いと明るいが字が白に負けてしまうので、どっしりした線も必要。また逆に字が大きく太い線だと黒っぽくなり重たくなるので、重・軽のバランスが大切である。

 


静岡県 船山裕子


・落款が左の場合は、右を1センチ強、左を三、四センチ程残し四等分したところに文字の中心がある。書きだしの文字、名詞、囲まれた文字は太め、動詞は小さめで、画数の多い文字は細めの大きめである強い文字のまわりは少し軽くし、川の流れの様に左右に流れがでて強弱のリズムがある。

・落款が下にくる場合は、左より右の余白が多く、残りを四等分にしたところに文字の中心がある。文字を包みこむように余白がありゆったりした感じと右払いの文字のアクセントがきいている。

・清香…は右にはりだす文字が二文字と少なく左右の余白を広めにとり二行それぞれの中心を通しつつ中央にひとつのかたまりとして書かれている。半切中央と下の方に強めの文字をもたせ、すっきりしながらも安定感を与えている。細いながらもきりっとしていて清香が漂うような空気を感じる。

共通しているのは、書き出し四文字を天地をとった残り縦半分までにおさめること、黒い文字の回りの白も含めた余白をとりこんでいる。

 



兵庫県 梅脇里美

いずれの作品も、文字の大小、軽重、かすれとにじみ等の変化が素晴らしい。左右でそれらが重複しないよう、十分計算されている。
自分で作品を書いてみて、宗師の作品はゆったりと大らかに書かれているのに、落款スペースもゆったりと取られているのに改めて感心させられた。作品2は落款が文字下になっているが、その分字の下のスペースが他の作品より広く取られている。

そこまで考えての配置なのか、と驚いた。

 

 


愛知県 岩瀬奈美

構成シートA から、どの作品も作品の中心がきれいに通っていることが分かった。落款の書く位置で、行の中心が少し変わってくる。左に記入するときには、右側にずらし、二行目の下に記入する時は、紙の中心で分けている。ただし、右左の余白を必ず残すこと。

構成シートBでは、隣の文字とのバランスを布置の際、気をつける事を学んだ。大きさ(=大小)だけでなく、重軽、濃淡、余白(文字の中、外の)も作品作りにはとても大切な事がわかった。

落款の位置は全ての作品の仕上がりを左右するとても重要なものであることがわかった。

 



鹿児島県 中満朋子


創作ワークショップについて
今まで、こだま等で数々の作品創作をしてまいりましたが、今回の様に構成シートを使用して観察する事は、初めての経験でした。まず、シートAの行の中心、作品の中心では、全体のバランスを考慮し、文字の大小を決め。シートBのコントラストでは、文字の太細や、余白の美しさに留意し。シートCでは、作品の締めくくりとなる落款の位置を改めて考えされました。その後、揮毫控えシートにて、半切の作品に入りましたが、今までと見方が変わり、細かい部分にまで、目がいくようになったと思います。これからも構成シートによる作業を生かして、更なる精進をしていきたいと思います。

 



大阪府 栗原美智子 

落款の位置が、ほとんど同じで、それでいて、全体のバランスは取れるように配置されています。
上下の文字の大きい、小さいの差を付けることによって、メリハリが出ています。
また、大小だけでなく、太さ細さ、墨の潤沢を変化させることによって、言葉の意味が生きて潤ってくるように思われます。
画数の少ない漢字でも邪魔にならないように主張して、活き活きと見えます。
作品2の落款が下にあるのも画数の少ない漢字が左に並ぶ為、よりよいバランスになる様、下に配置されているのかなと思いました。

戻る