北海道 山本 勇
作品の一行目、紙面半分の中心に二行目は落款の入れる空間をとり、行の中心をやや一行目側に寄せてる
作品の一字目は重厚な字体で始まり、文字の大小、太細、強弱等の配字で余白も生かされてる
作品を書き上げても落款の入れる位置をきめ、なかなか決めかねる様な事があるが構成シートで観察することにより大変よく判ります。今後の参考に致します。
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長崎県 平野トモエ
作品1,3は中心が右に、作品2は左に寄っている。行の中心は一貫して取られている。
作品1,2は太く大きい重い文字が三角形の配置にして結ばれた構図になっている。太い文字が左右重ならない様に、又、大小の文字が対照的に配置されていて余白のバランスが旨くとられている様に思う。
作品2,3は、天地の地が広く取られて、作品2は下部に大きく重たい字を入れ、作品3は落款を下部に持ってくる事により全体のバランスの調和を取られている様に思う。
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島根県 江川由美子
構成シートAで見る中央位置
- 作品1と3は落款が左に有るため中央を右へ寄せている
- 作品2は落款を下へもって来、シートAの中心位置と重なると思ったが左寄りに中央線がとられている(これは初めてのものだが作品を見る限りでは違和感を感じない)
- 作品1,3はたてへの字の延びは自由に取り入れられている感じだが隣り合わせている空間が窮屈に感じ取られる
- 作品2 落款を下に持ってきて有るためか若干高い位置で最終文字が終わる様に考えられている様だ。字間も上下均等に見られ、横間隔も広くゆったりとした感じに見える
構成シートBで見る文字構成の観察
- 作品1 最初の文字が際だって大きく墨量も多い。又、最後の二文字もその前にある字より大きく墨量が多い。又、画数の少ない字は小さくなりがちだが墨量が多く、反対に画数の多い字は墨量を落としてコントラストが付けられている強弱のはっきりした作品である。そうしたことが力強さを与えている
落款が同じように左に取られた作品3と比較し、縦にも横にも文字が大きくのびのびと書かれ、全体の余色が少なく、文字に圧倒される
- 作品3 作品よりも落款部が広い(シートではほぼ同じ様だが)ように感じられる。(「月」「出」等、字形が縦長のせいかもしれないが。)この作品の特徴は書き出しの文字の墨量が作品1と違い制御され下に向かうほど字も大きく墨量もおおくなっている。静に始まり段々と盛り上がり終わる音楽的感じ
作品1より紙面上の余白は多くなっている
- 作品2 右払いが大きく、のびのびと出されている分、中央が左に寄ってしまったのだろう。文字の大きさはほぼ均一の様だが、太細、墨量の多少により変化がついている。紙面全体をおおらかに使ってある感じだ
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石川県 山田まゆみ
- 中心は紙面右が狭いが、右列を幅広に書き、左列を中心寄りに細めにしてある
- 文字の大小、太細があり変化をだして迫力もありますが余白も考えてある
- 落款も少し大きめ
作品2
- 紙面の中心はやや右に寄っている
- 上下、左右、文字間の余白が多く、文字の大小の変化を少なくし整然としているので、二行目下に落款が入れてあるが下がって見えない。一行目の「本」「業」は中心をずらしてある
作品3
- 中心は左列が広めで「天」の右扱いを広げ「高」を大きく書いてある
- 画数の多い文字を細めにし、少ない文字を太くしている。磔が四文字あるので一文字だけを強調して「香」はすっきりさせてある
三課題とも左右に濃い(太い)横には薄い(細い)文字にして重たくないようにして升のように真横に並べず、ずらして書いてある
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岐阜県 中村稲子
作品1
作品の中心風の下部、福はもう少し下行の中心は、やや右寄り文字の大きさ日は小さく里は大きく重い字の横はやや細め軽快に。
日、徳で墨つぎをする。落款は二文字目真ん中あたりで終わる。
作品二 業、即の下が中心 左右の余白は右をやや広くとる。
大きさはほとんど同じ。画数の少ない字は太めである。
無、仁、太は墨をつけて重く。
線をしっかり組み合わせたり、離したりしてバランスをとる。
落款は雅号のみ下に書く。作品三 堂、天の下部が中心。
行の中心はやや右寄り。清、佛、定、天、高は
やや大きめ、出、為、香は軽くなっている。
堂、定、海で墨つぎをすると良い。
紙面空間は、中左右を少し多めにとってある。
文字はしっかりと接してあるが一文字の中で細太をつける事で、すっきりとまとまっている。
落款は書が中心よりやや下で終わっている。 |
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山口県 井川靖子
作品1,2では、画数の少ない文字は小さく、重く、隣り合う文字は大きく書かれている。隣り合う文字がほぼ同じ大きさの時は、同じ重さの文字が並ばないように軽重の変化がつけられている。墨量も左側の文字が潤筆の時は、右側の文字は渇筆というように潤筆が隣り合わないとうに書かれている。
作品3では、文字の大小、軽重の変化がつけられている。「定」「天」「高」を大きくどっしりと、そして「為」を小さく軽く書くことで、作品にめりはりと安定感を持たせている。
作品1は、余白が少なく、落款の時間も詰めて書かれているので、作品全体に緊張感を持っている。
作品2は、余白が広く、落款のスペースも開けられていないため、作品全体が明るい印象を受ける。
作品3は、作品1と比べて余白が広く、落款もゆったりと書かれているので、作品全体がすっきりしている。パソコンを持っていないため、落款の観察が十分ではなかったが、落款の字間を詰めたり、ゆったり書いたりすることで、作品の印象が全く違うものになるということが分かった。
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